2010年3月23日火曜日

3/21の記録(長文)

飲食関係はblackbirdしか出てきません。しかも量的にえらいことになってます。
正直言ってこまかい金額憶えてません。写真撮り忘れたドリンクもあった気がします。
てことでここは時系列に写真並べるだけで。
ブラックバードをまるで活動拠点のように使わせていただいた。何度出入りしただろう……
本当にありがとうございました。全食事全ドリンクもれなく美味しかったです。
この日一番美味しかったのはやっぱり花鯛。次点、前菜盛り合わせのサオール。



実は前日の夜に面白半分でコミケの今回限定公式ツイッターをフォローしてみたりハッシュタグを検索に入れてみたりしていて、「真夜中の暴風→危険を告げるツイートちらほら→テント飛びそう助けて!@関係者のツイート→リツイートの嵐→2ちゃんねる同人板にも転載→続々とボランティア集結→あっという間に2ヶ所のテント畳み終了→風で倒れたスタンド花を直しつつ颯爽と解散していくボラさんたち」という一大イベントをリアルタイムで目撃してしまった。
ボラの中には「徹夜組」と呼ばれるルール違反で普段は疎まれている人たちもかなり混じっていたらしい。同人板の方で「ジャンキー」と呼ばれる設営と撤収をするのが一番の愉しみという方々が主体だったようだけど、ホテルで寛いでいたのにフロントに頼んで外に出してもらった全くの善意の人もいらしたようだ。百人単位のボラが、深夜3時頃のツイートひとつ(まあ実際は直接呼び出せる範囲では電話もしただろうけど)で集結し行動する、これって果たして同規模の他のイベントで起こるだろうか?

彼らのコミケへの情熱と愛情の凄さに圧倒された。何というのか、自分たちの居場所は自分たちで作る、という意識の高さ。誰かが用意したマツリにただ乗っかって踊らされてておカネ落としていく「搾取される客」じゃなく、自分たちこそがマツリの成否を握る鍵のひとつひとつなのだという高い自意識。それは例えばロックフェスに参加して運営がどうだ進行がこうだ駐車場が遠いだご飯が高いだメンツが悪いだ等と愚痴と不満しか口にしない「誰かが愉しみを提供してくれることが当然だと思っている客」にはないものだった。
それはコミケ故の特殊性なのかもしれない。彼らは(顔ぶれこそ入れ替わっているだろうが)かつて連続幼女殺害事件の折、TVリポーターに「ここに10万人の宮崎某が居ます!」と叫ばれた人々なのだ。実際には宮崎某はオタクの中でも更に特殊な部類で、オタクたちの中でも事件以前から忌み嫌われていたようだけど。
とにかく何事か事件が起こるたびに「オタク≒犯罪者集団」的な扱いをされ、以前には幕張メッセで決まっていたコミケが(メッセ側から使用許可を撤回されて)中止に追い込まれたこともあったそうだ。あちこちから迫害され、奇異の目で見られ、趣味が特殊だというだけで時には人格さえも全否定され、だからこそ彼らは世間に対して「寡黙」で「従順」で「慎ましやか」で「礼儀正しい」のかもしれない。そしてコミケを、自分たちが集える「最後の砦」として愛し、大事にしているのかもしれない。
そう考えていくと、なんだか少しせつない。

彼らの結束力の強さに感心すると同時に、ツイッターという、リアルタイムで情報を発信+更新していけるツールの力を見せ付けられた気がした。これは突発的な事象に対してかなり強いツールだ。良いほうに転がるか悪いほうに走るかは状況次第だろうけど。そういえば埼京線の電車立ち往生事故でも、ツイッターによって状況を把握した人たちがかなり多かったらしい。うまく使えば災害速報とか状況説明にすごく役立つんじゃないかなぁ。阪神淡路の時も、新潟中越の時も、パソコン通信やSNSで情報を共有しようとした動きは活発だったように記憶している。あれよりも更にスピードアップしたツイッターは、使いようによっては最強の緊急時の情報網になるかもしれない。

それはさておき。
良くわかんなくてもとりあえず楽しそうなことには乗っかっちゃったもん勝ちyeah!!!と考える性質なので、オタクな人々の群れの中に突っ込んでもドン引きすることは殆どなかった。時たま猛烈な汗スメルの人とすれ違って息が詰まったくらい(笑)。まあ私自身、気質的には限りなくオタクだしなぁ(へびめたはオタクが多い)。
とうか、いらした方々はやっぱり水戸くんだりまで遠くから来る(道と山陰のナンバー見た……)ほどのディープなオタクなんだろうけど、その慎ましやかさ、というかおとなしさには本当に驚いた。動画サイトで見る「エロ本に殺到するオタク」の凶暴なイメージはまったくなかった、少なくとも会場の外では(笑)。km単位の距離を何時間も待たされながらもあれだけ整然と縦列で進んでくれる人たちって、ちょっと他にないんじゃないかな……ライブイベントだったら、運営は何やってやがる!と暴動おきるよアレ。

ツイッターに延々食べ物写真上げてたのは、半分本気で「水戸まで来たからには美味しいものを食べていってよー!ここ美味しいんだからー!どこででも食べられるFFやコンビニやチェーン店のものじゃなく、旅行気分も胃袋で満喫してよー!」と悔しく思ってたから、だったりするんだけど。
なんかもう、行列の流し方を見てて腹立たしさまで感じたのよ。駅から会場に向かう人をみずほ横で芸術館側に曲げて(スタッフが立ってて右折に誘導してた)、会場から駅に向かう人を広場直前の歩道橋に流して、ってそれじゃブラックバードと木村屋さんのエリア完全に封鎖じゃん!(誘導しないと人並みを捌けない、という理由もあるだろうけど)というか、実際みずほのところで真っ直ぐ歩こうとしたらスタッフに止められた(オタク臭く見えても通りすがりの一般人ですが何か?)。いっそ営業妨害だよあれ、だってスタッフの肩越しに見えてるのよ木村屋さんの店頭販売のテーブル……みずほの角までの、ほんの数mが果てしなく遠い……。
逆に裏通りのアルコイリスさん、さくら亭さんは待機列に面していたためにかなり繁盛したらしい。ていうかアルコイリスさん、商売上手だ!駅or三の丸広場から歩き続けて疲れているところに「手軽な屋台ごはん+座って食べられる場所+会場ほぼ隣接という近さ」はそりゃあ魅力的だろうよ!(話によるとランチを延長しまくっていたら夜営業の分の食材まで使い果たしてしまったとか……凄いなぁ……)
呟きの数は膨大であっという間に自分の呟きは流れていってしまったけど、そんな中でも誰かの目に少しでも留まっていたらいいな、美味しそうだから行ってみようと思ってもらえるといいなと思いながら呟いていた。

呟きつつ、広告を出すことの難しさ、効果的な広告とはどんなものか?ということも考えていた。とりあえず「観光客」対象に広告出すならやっぱり写真が必要、それも実際に供される食べ物の写真ほど雄弁なものってないよなー……と。茶の間さんの豚もやし鍋完売、あれはやっぱりコミケの公式サイトに鍋の写真(と値段)が大きく掲載されていたのがかなり影響したと思う。鈴龍の水戸藩ラーメン、とん楽のとんかつ、紅茶館のアフタヌーンティーセットも同様。特濃ヲタなスタッフが楽しく食べてこれたんなら俺たちだって大丈夫!みたいなある種の安心感もあったんだろう。
街をぶらぶらしていて気付いたんだけど、コミケ会場から出てきたオタクな皆さんが入っていくお店って、それこそツイッターで話題になってた「コミケは若い方が多いと聞いたので、本日は特別にカレーライスを用意しました」な山大さんや、バイトさん?の力作なお手製ポスターがえらくウケていたサンクス水戸南町店を含め、「コミケな方いらっしゃ~ィ」というのが傍目にわかるようなところだったし。萌え絵があるかないかというより、「ウェルカムだよ」という姿勢があきらかに見えているところ。逆に、そういうお店でないと(特に一人だと)はいりづらいんだろうなぁ……「何あのオタク」って視線が向けられたらどうしよう、という恐怖感があるんだろうなぁ。いや、たまたま灰皿をシェアしたオタクさんたちが、「こんなにフレンドリーにしてもらえるなんて」って喋っててさ……きみら普段どんだけ迫害されてんのよ、と。
あとはやっぱり「水戸ならでは」に拘る人も多かったのかな、と。一人前から注文できるあんこうセットの看板には、かなりの人が足を止めていた印象。あと納豆スパゲティとかねばり丼とか。初日は男性の方が多かったせいか、はたまたラーメンオタクとコミケ系オタクは層が被るのか、ラーメン屋(食堂系)の前で悩んでる風の人たちもずいぶん見かけた。そのへんはやっぱり「旅行」な部分も少しはあったのかな、と。

今回の宣伝対象は「情報のない(少ない)店」に入ることに躊躇しがちで且つ非常にアウェイ感を強く持っている、引っ込み思案な人たちだった。単純に「営業してます」だけでは彼らの心を動かすのは難しかった。それは返せば、十分な情報と歓待の姿勢を打ち出せば彼らは安心して来店してくれる、ということになると思う。事前の情報(財布の中身と相談)と、現場での体感(疎外されないシアワセ)。これが良い方向に揃った時に、それこそ後述する大澤精肉店のような「爆上げ」「最大手」「MVP」が生まれる。

それと個人的に気になったのは、コミケの公式と水戸側の連携の取れてなさ。公式では自分たちが企画したもの以外の情報はさっぱり取り扱わなくて、極端な話、会場真正面の京成の1Fで早朝から物販するということすら知らない人が、ずいぶん居たように思う。物販あるのを知らずに梅酒(今回のコラボ商品の中で最も売れている商品)買い逃した、といった類のツイートが相当数あったし、みずほの角で裏道へ誘導(京成正面側を通さない)されてしまったために「会場で買い物後外に出てきて初めて目の前で物販していることを知った」といったケースもあったようだし。京成の早朝物販は京成のサイトでは告知されていたので、そことコミケの公式がきちんとリンクしていれば結果は違ってきていただろう。周辺の飲食店の屋台・早朝営業の情報がコミケの公式で事前にきちんとアナウンスされていれば、少なくとも朝食難民や「コンビニ一人勝ち」な状況は生まれなかったんじゃないか?
逆に水戸の準備会にきちんと当日の待機列の導線と人を流す経路を公表していれば、その導線から外れた場所での「敢えての屋台・臨時営業」という無駄は生じなくて済んだと思う。泉町會舘の向かいに設けられた手荷物預かり所はほとんど利用されてなかったし、その先のおにぎり屋は閑古鳥どころじゃない寂れっぷりだった(導線とは逆方向のため)。スクランブル交差点付近も、午前中はその手前の郵便局付近で三の丸広場への根こそぎ誘導が入ったために惨憺たる有様だったそうだ。要請があったから開けたものの、という店はかなりの数に上ったように見受けられた。

……えーとあくまで同人板情報だから真偽のほどは定かではないけれど、開催地確定後にのっけから「おれらハコだけあれば勝手にやるから便乗したきゃ勝手にやれば?」的扱いをコミケ準備会にされた、というのがちょっと真実味を帯びてしまっていたよ?いや逆に「有志が勝手にやったことなもんで、いざ決定したら市も県も準備の席にすらつかなくて調整もへったくれもなかった」という説も上がってるけど。町興しじゃなかったのかよー、それじゃ町荒らしじゃんよー……。
というか、オタクな皆さんの99%主目的である「即売会」があまりにぐだぐだな状態で、開き直ったオタクな皆さんが自主的に「本が買えなくて残った軍資金で町興しに協力しようぜ!地元の店で飲み食いして観光しようぜ!」と行動してくれたからこその、この結果だったんじゃないかと思う。逆に言えば、オタクの皆さんが開き直らずに「けっ、水戸まで来て無駄金使ったわ!」と速攻帰ってしまったりしたら、そりゃもう目も当てられない結果になっていた恐れも…………。

いやリアルタイムに見ていたのはツイッターだけど、昨晩ゆっくりと同人板の過去ログを読んで、本気で今回のは「薄氷の上の一応の成功」だったんじゃないかという思いを強くした。優しくて純粋で素直であったかいんだね、オタクな皆さんの本質って。そして思い立った後の行動力パネェ。

…………とりあえずここまで。

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