2010年3月23日火曜日

3/22の記録(長文)

本日も引き続き飲食関係はblackbirdしか出てきません(一部五浦ハムの画像もあるけど)。
ここは時系列に写真並べるだけで。
この日一番美味しかったのは桜鱒のマリネ。次点、ホタルイカとあさりのペペロンチーノ。












21日の分の書き忘れ。
私自身は2日間ともメイン会場=旧京成の建家には入らず(だって有料のパンフ必須だっていうんだもん)、そのへんをずっとうろうろしてたんですが。
21日の夕飯に立ち寄ったブラックバードで、その日最強のオタクな方々に遭遇。推定50代前半~半ば、おそらくコミケ第一世代(確か30年以上やってるんだよね?コミケって)。たいへん紳士的にコーヒーを飲んでいらしたけれど、こっちは耳がダンボ状態(笑)。生き字引だ……20日の茨城新聞のコミケ特集にコメント寄せてた某大学教授と引き合わせたら、すんごく濃いい(そして素人にはちんぷんかんぷんで全くついていけない)話をしそうだ……。
あらためてコミケが「マンガやアニメの好きな若い人たち」のためのもの、だけではないのだということを実感。というかコミケの公式に載ってるジャンルを見ると、評論とか鉄道とかアクセサリー(これって雑貨の範疇じゃ……)とか、いろいろあるのね。そういや今回「初音ミク」の歌う水戸市歌が街頭放送で延々と流れていたけど、あれってDTMの範疇だったわ(笑)。

余談だけど、生まれてこの方水戸から出たことない、という向きでも意外と水戸市歌を知らない方が多くて驚いた。私の通っていた小~中学校では当たり前に教えてたけどな、水戸市歌と茨城県民の歌。茨城音頭とごきげん水戸さんは運動会で踊ったし。校長の方針なんかも関係しているんだろうか……。

さて22日。
昨夜も遅くまでツイッターを見ていて、起きたらうっかり8時過ぎ。
のんびりとブラックバードに向かい、朝の一杯を堪能していたら、木村屋さんの紙袋をお持ちのカメラマン(コスプレ撮影する人たちを総称してカメコと呼ぶらしい)御来店。
バリスタが揃って曰く「ブラックバードで撮影していった中では過去最高スペック」の凄いカメラでラテアートを激写しておられた。きっとすっごい奇麗に撮れてるんだろうなぁ……ケータイのカメラってやっぱり限界あるよね。
何となく前日よりも人が動いている気配。テイクアウトも店内利用もぼちぼちと続き、ひたすらコーヒーを淹れ続けるバリスタ2名。後で知ったが、結局ほとんど休みなしでコーヒーを出したそうな。

三の丸広場まで行って去年の産業祭でド嵌まりした五浦ハムのハム焼き食べて(行列に並んだ!)、ぶらぶらと芸術館広場に戻ってコスプレ眺めて。コスプレの人たちも、人出の多さにつられて出てきた様子の多分近隣にお住まいの家族連れたちも、みんなすごくいい笑顔。天気が良かったのも加わって、かなりの賑わい。
灰皿をシェアしていたコスプレのお嬢さんに話を聞くと、屋外はそれなりにあるけど、街中をコスプレで歩けるというのは本当に貴重な体験らしい。過去にいろいろあって自主規制というか暗黙の了解があって、コスプレのままでは指定範囲から出ない、買い物や食事は普通の服に着替えてから、という意識が浸透しているらしい。えーえーなんか勿体無いな……ブラックバードのブログに上がってたポルコ・ロッソ、外のテーブルでグラス片手に葉巻くわえてたら絵になりそうだったのに(笑)。
時間は前後するけど、芸術館前でイバライガーブラックのショーをだら見して、ついでなんでピンで撮影させていただいた。どうせなら緑の人を足蹴に(もとい、サイン用の机代わりに)している姿で撮りたかったけど、かっこいいポーズ決められちゃったからしょーがない(笑)。
それとベイダー卿も発見。この人は完全に素人さんらしいけど、コスプレ界では有名な方でもあるらしい。お願いしたら快くポーズ取ってくださったけど、カメラマンの腕が悪いのでサーベルの先が切れてしまった……ごめん……。
見ていると、ちびっこたちには色々ツボなコスプレもあったらしい。「スタッフ」のゼッケンをつけていたので普通に黒子さんだと思っていたら、男の子(推定五歳児)が「シンケンジャーだ!」と嬉しそうに叫んでいたりね(いや我が家の四歳児にレクチャーされたのでシンケンジャーに黒子が出てくることは知ってましたが。そうか子供目線だと大雑把に似てればOKなんだな)。

そしてここでも思ったのは、オタクな人たちの礼儀正しさ。コスプレを勝手にばしゃばしゃ撮る(街中で有名人見かけたおばちゃん軍団的な)ことはせず、きちんと声をかけて許可をもらってから撮影してた。そのへんはオタクじゃない人たちの方が便乗して勝手にケータイかざしてたなぁ。声をかければちゃんとこっち向いて目線くれたりボーズ決めてくれたりして、サービス精神もすごく旺盛だった。イバライガーブラックや黄門様ご一行は半ばプロみたいな存在だからポーズが決まってるのもわかるんだけど、普段はごく普通に暮らしているだろうベイダー卿も、黒子さんも、全身野戦服with実際にサバイバルゲームで空気弾打てますなモデルガン姿のみなさまも、お願いすると快くポーズつけて撮らせてくれた。
街中に(比較的)若い人たちが溢れてて、コスプレの人たちのカラフルなウィッグが陽射しに映えて、うろうろしているだけでもすごく楽しかった。南町のハロウィンもあれくらい大掛かりに……いや無理か流石に。運営のキャパぶっちぎりすぎるわ(笑


ブラックバードに立ち寄ってランチ食べてそのへんうろうろしてまたブラックバードに立ち寄って冷たいもの飲んで。
それから来店された噂の魚屋さんにご挨拶したりして。
そんな風にまったり過ごしている間に、コミケ会場の近所では凄いことが起きていた↓
(2ちゃんねる同人板から転載・一部抜粋・※注釈追加)

超大手サークル大沢精肉店まとめ
※・スレその18>>65、大沢精肉店の照り焼き買ってあげてとレス、全米が泣いた/一日目まとめより
・照り焼きモモ肉おいしい
・お茶サービス
・落としたモモ肉に涙目になってたら一個サービス
・サービスのしすぎで悪いからと、もらった梅が自家製5年ものでこれまたサービス
※・スレその18>>65の大沢精肉店で翌日の開場完売警報/一日目まとめより
※・スレその21>>758他多数の地元商店売り上げに貢献できないかなあ(・ω;`)/一日目まとめより
※・食いもの談義本格化&ハム焼きブーム到来/一日目まとめより
※・ハム焼き、もも肉の情報戦早くも始まる。/二日目まとめより
・運営の意図的な誘導制限にもかかわらず開店前から行列
・運営が妨害にきたが訓練された人間は最後尾列まで2列縦隊をくずさず
※・イベントでは今日もまともに同人は買えないと判明したので食い物の話が大人気/二日目まとめより
・即効で完売、しかし追加を焼きまくるため4時間フル回転
・前日からコミケのために清掃
・追加分のサイズが小さいとの理由により超絶値下げ断行(300円→250円)
・値下げによりつり銭切れの懸念
・15時ころ見事に完売、拍手であふれる
・幾度もの追加投入と言うコミケサークル前代未聞のサービスでファンを魅了、実質5時間売り続けた
・にもかかわらず、食べれなかった人のためにお茶を振るまう
・達筆の完売札に頭を下げる人も
・おばちゃんに持病発覚、接客し続けたその姿勢にスレの胸が熱くなる

彼らの心に「水戸の街の思い出」として一番深く刻まれたのは、萌え絵もなくメイドさんもいないBGMはド演歌の、どこの商店街にも1軒くらいはあるだろうごくありふれた精肉店の、旦那さんや奥さんの誠実な姿勢と普通に旨い鳥モモ焼きだった。

確かに彼らは水戸に来た沢山のオタクたちの、ほんの数%もいるかどうかの微々たる存在だったかもしれない。それでも彼らは次々に街へと散って、何があるかを報告した。普段ならば機械的な接客のファストフードやチェーン店を利用するところを、近隣の個人経営の飲食店に入った。いつもならば見向きもしない沿道の屋台の売り子から、食べ物や土産物を買った。「ハンコ屋でオリジナルスタンプ作ってくれる」「文具屋でコミック用品割引セール中」「ガラス屋面白い」「刃物屋すげぇそそられる包丁あった」「あのオモチャ屋のレトロっぷり必見だろ」……ほんの少しずつでも「地元」にお金を落とすことで、ほんのちょっとでも「町興し」に貢献できたら、と彼らは動いた。「優しくしてくれた肉屋のおっちゃん」から、街全体への「お返し」を思うようになった。同人板の2ちゃんねらが自主的に「サクラ」になって、それがやがてツイッターや口コミを介して参加した2ちゃんねら以外のオタクの人々にも知れわたり、たとえば大澤精肉店を「最大手」にのし上げた。
そうそう、こんな書き込みもあった。

588 名前:カタログ片手に名無しさん メェル:sage 投稿日:10/03/22 23:05 ID:???
木村屋いった、想像してたよりお洒落な店だったし
おばちゃんだけかと思ってたら、レジがお姉さんでキョドっちまった
その隣のカフェも普段じゃぜってー入れないようなお洒落な店で緊張した

でもパンもカフェもすげーうまかったぜ!

彼が(彼女かもしれないが)店の扉を開けるのに必要だった勇気は、どれくらいのものだったんだろう。これをきっかけに、地元に戻ってからもチェーン店じゃなく「コーヒーの旨い個人経営の喫茶店」に行くようになったら、それもまた小さな町興しの種になるんだけれど。

彼らオタクは繊細である分、感覚が鋭敏だ。下心ミエミエの宣伝に対しては「自演乙」と撥ね付ける。最初の発言に近いところまで遡ると、実際に「肉屋の自演乙」といった否定的なものも散見された(ひょっとすると私の写ツ連投も、ツイッターとの掛け持ち組からは「関係者自演乙」と思われていたかもしれない。だとしたらお店には迷惑をかけてしまったなぁ……)。だが「肉屋のおっちゃんとおばちゃん」のさりげない親切がひとつひとつ報告されるにつれ、そして店の在る路地がスタッフによって通行を制限されていた様子なども書き込まれることによって、「頑張って『おもてなし』の準備をしててくれたおっちゃんおばちゃんをがっかりさせちゃ駄目だ」といった雰囲気に変わっていった。そこに主目的についての悪条件、つまりいくら並んでも本は買えそうにないという状況が重なって、「本が買えなくて残ったお金を、オタクに優しかった水戸の街で使っていこう」という風潮が出来上がった(勿論そこは2ちゃんねるらしく「地元民の自演大杉」といった否定的なものも少なからずあったのだけれど。私から見てもああこれ地元民だらけだなぁ、といった応酬があったし)。

とにもかくにも彼らは商店街を歩き、水戸の空き店舗の目立つ街並みを「会場までの通路」ではなく現実に生活する場所として認識し、お店の人々と言葉を交わしてその寂れっぷりを知り、彼ら自身の住処の置かれた状況をも考えはじめる。「おれんとこもシャッター街」「おれ地元だけど初めて知った店多いわ」「地元にどんな店があるかそういや知らねえ」……この「気付き」は大きいんじゃないか?
今回の水戸コミケで評価出来るのは、実は個人的には唯一この点だけだと思っている。支払ったお金の行き先までも考えて店を利用することは、普段よほどでないと意識しない。安く早くある程度の信頼が置けて「とりあえず」にはちょうどいい、という理由でチェーン店を利用しすぎてはいないだろうか?だがそれは本部に吸い上げられ集約され、地元にお金は残らないのだ。街を活性化させカンフル剤に成り得るのは、外部から訪れる人間が「地元に」落とすお金だと私は思う。訪問者が地元の店を積極的に利用して、商店街の中でカネとモノをまわして、そのことで少しでも税収が上がり、市の財政の苦しさが軽減されればまた地元の整備に税金が投入され、それが訪問者を増やし……最終的には「街の中でカネとモノが(拡大しながら)還流していく」ようになるために、しなければならないこと。
訪問者に如何に水戸の良さをアピールするか。今回のような「自主的に楽しもうとする人たち」は特殊例だ。今回のことで、過大な自信を持っちゃいけない。

大澤精肉店を含む一連の流れは、おそらく本流からはかなり離れたところで起きたもの。それはそれとして、本流でも同じようなことが起きていたと私は思う。
今回のコミケが「町興し」を(建前上)うたっていたこともあり、当初からそれなりに観光需要はあったと思う。でもそれを更に後押ししたのが、皮肉にも運営側のしょーもない(でも深刻な)不手際だったというのは……。
というか、運営が上手くいってオタクな皆さんがそれぞれ「即売会」を満喫してしまっていたら、果たして彼らは水戸の街を散策しようとしただろうか?ろくな情報もない状態で、個人経営の飲食店に足を向けただろうか?おそらくはコンビニやFFで調達した簡単な食べ物をホテルに持ち込み、それを食べながら購入した本を読み、ホテルのテレビでアニメを見、それだけで終わってしまっていただろう。あるいは手ごろなファミレスやチェーン系居酒屋に腰を落ち着け、購入した本を読みながら食事をし、ホテルの(以下同文)で終わってしまっていたんじゃないだろうか。それこそ水戸側の準備会が当初予想していた通りに。「即売会」では何ひとつ楽しめないと見切りをつけた人たちがこぞって観光に切り替えてくれた、その判断が今回あちこちで見られる「一冊も買えなかったけど楽しかった」という感想に繋がったのだと思う。

だがそれはオタクな方々のアタマの切り替えの速さと、場を愉しもうとする能力の高さと、何らかの成果を得ようとする要求の強さとがあったからだ。あくまでも結果として「コミケ自体はさておき、水戸の観光には満足した」というところに落ち着いただけに過ぎない。私たちはオタクな人々の「場を楽しむスキル」に助けてもらった側なのだ、と私は思う。
例えばこれを「お目当てブランドが開催する一日限りのバーゲンセール」に置き換えてみよう。早朝から豪雨に濡れた身体で4時間以上も行列に並んで、やっと売り場に着いたら既にシャツ1枚アクセサリーひとつ残っていなかった……彼らオタクの大多数が、今回そういう目に遭ったのだ。そこから切り替えて「観光して楽しかった」と言えるまでに持っていく彼らのパワーに、私は驚くばかりだ。これが彼らのように切り替えが出来る相手ではなく、前述した「愉しませてもらって当然と考える客」たちだったら、一体どうなっていたことか。

コミケット側の落ち度は言うまでもないが、水戸の準備会側にも安易に「成功した」などと喜んで欲しくないと思っている。
むしろ準備としては大失敗、何もかも必要ラインまで至ってなかったに等しいと思う。コミケット側との導線や人の流し方の折衝、警察との折衝(今回は横断歩道がボトルネックになったとのこと)、商店会への説明と的確な協力依頼(説得含む)、導線に伴う最も効果的な場所での物販の展開の検討、待機列という「並んだら動くに動けない」状態を見越しての行商の許可申請(例えば京成のパン屋、列に行商出来てたら結果はだいぶ違ってたと思う)、来水した人たちへの積極的なアピール(始発から改札前で観光マップ配るとか、前日に設営があったんだからそこで観光マップ配るとか、ホテルのフロントに協力を依頼してチェックイン時に観光マップを『手渡し』で配ってもらうとか、それだけでもだいぶ違ったと思うんだけど?最強なのはパンフ販売の時に一緒に折込してもらうことだったろうけど)、コミケット側とのコラボ商品に関してのすり合わせ(会場内で販売した弁当、無惨なくらい売れ残ってたそうだけど。そりゃあ人がすし詰めで立ってるところに「箸必須の単価高めの折詰弁当」持っていったって売れるはずないわ)、商店街を回ってもらうための工夫(同人板で「それこそ商店会でスタンプラリーやればよかったんじゃね?」という意見が。おまけはコラボ商品でいい訳だしね)。どれかひとつでもマトモに出来てたことがあった?少なくとも私の目には「まともにやった結果」は見えてこなかったよ?そこの棚にパンフ置いてあるから、だけじゃ駄目なんだよ?いやまあそのへんが「殿様商売」と揶揄される所以なんだろうけど。
……と、いうかねぇ。いや休憩してる時に水戸側の関係者さんが近くで話してたんだけど、その話しぶりがどうにも「オタクどもキメェwww(敢えて2ちゃんねる風に)」という雰囲気が滲み出しててねぇ……いやこれじゃ折衝なんて上手くいくはずないわ、とちょっとだけ絶望したのでした。
うんまあとりあえずコミケットも水戸の準備会もどっちも床にめり込むまで土下座して反省すればいいと思うよ?みたいな。あんなどーしよーもない不手際だらけで「成功~!」とか言うのは、そりゃ自画自賛が過ぎるってもんだわ。
ほんと、よく耐えたよオタクの皆さん……情報あんまり多くない中、それでも水戸を楽しんでいってくれてありがとうねオタクの皆さん……。

今回ボラに参加しなかったことで(だって三連休中の出勤なしが確定したの、金曜の退社時……正確には土曜の朝w当日行っても参加出来たのかな?)却っていろいろなところをぶらぶら見て歩けた。特にトークショーやシンポジウムに参加はしなかったけれど(今思うとどれかひとつくらい聞けばよかったかも)、便乗ライブとかにも行かなかったけど(個人的に「大人のガンダムナイト」には行きたかったんだけどね……)、これはこれで楽しかった。何より「人波に揉まれる」なんて久し振りの体験だった。うん、いつもこれくらいの人が歩いている街の方がいいよね。私が南町界隈に住んでた頃(バブル期w)、休日はこれくらいの混みようだったよなぁ……またこれくらいの人があたりまえに歩いている街になるといいな。

とりあえずブラックバードを筆頭に個人経営の店でせっせとゴハン食べます、今後も(笑)。

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